発展=幸福の図式は飽きたけど

私は子会社に勤めている、親会社は某自動車製造会社。
ここに勤めているてわかったことだが、親会社はその巨大な力を利用して景気を作り出している。
こうやって一言で書くと、非常にお馬鹿さんな発言に聞こえそうだが、こういうことだ。


失われた10年、会社の構造を見直し合理化を進め、基礎体力を強化した企業が景気回復と共に大きく躍進したこ
とは周知のとおり。
逆に言えば景気が悪化したことで企業は否が応でも経営をスリムにせざるをえなかった。
それが景気回復後、企業の収益向上に寄与したわけだ。


自動車産業は現在のところ好調だ。
だが好景気に胡坐をかいては、世界で戦ってはいけない。競争相手は国内だけではないのだから。
「親会社が好調であれば子会社も好調」では子会社は怠ける、それは子会社自身の努力で出た利益ではない。
だから親会社は擬似的に不況を作り出す。
例えば子会社から買う製品の値段はどんどん下げる、下げた値段で利益が出るつくり方を子会社に考えさせる。
そのことが、結果子会社の体質強化に繋がる。
そういった考え方をしているんだろうなと、最近思う。


周りの人は「子会社いじめだろ」とか「得意の生かさず、殺さずだろ」とか思ってる。
恐らく会社の中で私がこの考えを誰かを捕まえて伝えてみても「どれだけ御人好しだよ」「マゾヒストですか?」
といった感想が返ってくるだろう。
そりゃ子会社の立場に立てば、親会社が巨額の利益を計上する中で子会社への要求は厳しさは増すのだからそういう理解にもなる。
だが私は違うと思う。実務者による実行のされ方に程度の違いはあれど出発点の考え方は、きっとそういうことだと思っている。


閑話休題


話題のwhite collar exemptionの導入の掛け声はこうだ。
・自由度の高い働き方にふさわしい制度
・成果に対して賃金を支払う仕組み
「ホワイトカラーの労働は、時間ではなく成果でみるもの。」
この考え方は基本的に正しいと思う。
現在も一部企業で導入されている自己裁量労働制では何がまずいのかなどの疑問はあるが、反対ではない。


ところでこの法案の裏には上記の構造に似たものが潜んでいるように感じる。
個人の国際競争力の向上を狙ったものなのではないかと思うのだ。
仮にW/Eが制定された場合、初期において対象者は「残業代を削られた」と憤るだろう。
しかし、その後自らの仕事の効率・能率をあげ、成果を求めるようになるはずだ。
というよりも、そうせざるをえなくなる。
結果、一部旗振り役の言うような「余暇の増大」はないにせよ、個人の能力もしくは効率はある程度底上げされ、日本経済の国際競争力強化につながっていくのだ、それが幸せに繋がるのだ、そういう意図を感じる。


初めに書いた親会社と子会社の関係に似ていないだろうか?
確かにどちらにしても「生かさず殺さず」には変わりないと思う。
だが、余程の努力をしない限りどこへ行っても「生かさず殺さずスパイラル」からは抜け出せないだろう。
それならば、私はW/E的働き方を選びたい。


思考回路は相当狂ってると思う、特に学生の頃の自分が見たら。
だけど、こんな風に考えていれば聞いている側がいやになるような愚痴は出てこないし、自分の向上のために働けると思っている。
サービス残業のしすぎで頭のおかしくなったサラリーマンの戯言だと受け取ってもらって構わない。
実際、サービス残業中に頭に浮かんだことだし。笑
マゾヒストだな〜、と笑ってもらっても構わない。
実際、マゾヒストなわけではないが。笑


でもそうして週末も、サービス休日出勤に勤しむのです。
仮にサラリーマンを一生続けたとして、30年後に若手を捕まえて「知ってるか?昔は残業代ってのがあってさ、あの頃はよかったぜ」なんて台詞を吐くような人にはなりたくないし。
平日のうちに業務を完遂することのできなかった自分の責任だって言い聞かせて。